介護の職場では入職しても3ヶ月と持たないで辞めてしまう人がいます。
しかし、職歴を履歴書や職務経歴書に退職記載す期間を記載する必要があり、短期間で辞めた実績が積み重なると印象が悪くなってしまう可能性があります。
たとえ採用が決まっても「今まで職場を転々としていたらしいよ」と職場の人から思われることもあるかもしれません。
長年、介護現場で働いていて気づいたのですが、辞めていく人たちには共通していることがあったのです。
何かしらの理由で仕方なく辞めてしまったという場合もありますが、ほとんどの方が共通していることに当てはまってしまいます。
さらには、辞めてしまった人の末路は結構似ています。というわけで「すぐに辞めてしまう人の特長と辞めた人の末路」についてまとめてみました。
介護の職場ですぐ辞める人の特徴は?
すぐに辞めてしまう人には特徴があり、以下のどれかが当てはまることが多いです。
- コミュニケーションが苦手
- 要領が悪い
- 危険予測ができない
- なんかおかしい
- 体力がない、常に体調が悪そう
- 介護をナメてる
- 何回教えてもすぐに忘れてしまう
- 根性がなくすぐにあきらめてしまう
- 怒られることにビクビクしている
- 言い訳する
- なにかと家庭の事情があるような感じを出す
- 協調性がない
- すぐに腰痛になって休む
いかがでしたでしょうか?
辞める前はあまり気にならなかったけど、辞めた後に「あの辞めた人、◯◯だったよね…。」と職員が言っているのをよく見かけます。
また、介護経験者で職場をすぐ辞める人の特徴も書き出してみました。
- 自分の理想的な介護の職場を求めすぎてしまう
- 施設のやり方に納得できない
- 年齢や自分の置かれている状況をわかっていない
- 他人のせいにする
- 介護スキルがない
- 転々としている場合じゃないことに気づいていない
リーダー職は新人に対して”辞めない叱り方”の指導をされるようにもなり、辞めさせない職場環境作りやマネジメントスキルも必要になっています。
辞める人たちにはそれぞれ理由があるのはわかりますが、前記の通り辞める人の特徴は同じ場合が非常に多いのです。
介護経験者の場合、前の職場と比べたり理想を求めすぎてしまう場合が多いです。
みんなの辞める理由って?
特徴についてお話しましたが、共通している人たちはなぜすぐに辞めてしまうと思いますか?
一番多い理由に挙げられるのは、
「職場に直接入職を申し込んできた」と「理想と現実のギャップ」です。
専門学校卒業しての入職やハローワーク経由、大卒でも同じように辞めてしまう人がいます。しかし、こうした入職の仕方にも共通して辞める理由があったのです。
職場に直談判
この方法はハローワークを介して就職するよりスムーズです。電話一本で面接日が決まることが多いので余計な手間が省けます。
まれに「ハローワークを通してくれ」と言職場はすぐに人材が欲しいので直接われることもありますが、ほとんどのでも受け入れてくれます。
職場に直接申し込んだ人がすぐに辞めてしまう理由は、事前に何も情報を得ることなく急いで入職を希望するからです。
何も知らないまま入職してしまうと、
「実際入ってみると違った」
と後悔して辞めることになってしまいます。それにくわえ、「すぐ辞める人の特徴」にも当てはまる場合がほんとに多いんです。
では直接申し込みで失敗しないためにはどうすれば良いのでしょうか?
直接申し込むなら最低限ホームページは見たほうがいい
どの職場にもホームページがありますが、最低限調べておきたい情報は
「職場の雰囲気や活動風景」と「経営理念・方針」の2つです。
たったこれだけ?
と思うかもしれませんが、この2つから得られる情報はかなり参考になります。
ホームページが充実している職場ならなおさらです。
ホームページを見ておく必要性は他にもあります。
採用面接では、面接官のよくある質問の中に「うちのホームページ見ていただけましたか?職場の活動写真とか取り組みを見てどう感じましたか?」と尋ねられる場合があるからですね。
ホームページを見ていなくても不採用の条件にはなりませんが、仮に採用になったとしても、何も見ないで決めた人はすぐに辞めてしまうんです。
「人間関係に悩んで辞めました」は本人だけの理由かも?
すぐに職場を辞めてしまう人は、辞める理由に「人間関係で悩んだ」を言われることが多くあります。しかし、実際のところその理由は本人だけという場合があります。
たとえば、
- 先輩職員にタメ口
- 反抗的な態度
- 叱られて当たり前の言動
- 嫌われるような態度をとる
こういった言動があるにも関わらず、それに気づかず人間関係を理由にして辞めるので、こちらが悪くなってしまうのです。
管理職はこう言います。
「辞める人も直すところはたくさんあるよね。でもあなた達も辞めたくなるような態度を取るのはよくないよ。長く勤めてもらえるような環境を作らないと」
結局、現場職員が責められる結果になってしまいます。
「いやちょっとまってよ。先輩にタメ口聞いてあの態度で何度教えても反抗的な人に、長く勤めてもらえる環境は作れないよ。」
と心の中で思ったことも正直ありますよ。
介護の職場をすぐに辞めてしまう人の共通点
よくある共通点は多々あるが、もっとも多い共通点を5つに絞りその対処法と改善策を紹介していこうと思います。
この記事は「介護の職場をすぐに辞めてしまった」という方が、
今後も同じことを繰り返さないために書いています。
長く働ける人が増えれば介護業界イメージも変わっていくと思うからです。
共通点1:介護の職場をすぐに辞める人の辞め方
「介護の職場を3ヶ月前後で辞めてしまった」という方の職場の辞め方について話していきましょう。ほとんどが職場を円満に辞められていない場合が多いです。
辞め方の共通点は「体調を崩して数日休んだまま来なくなって辞める」
これがびっくりするくらい本当に多い辞め方です。ちょこちょこ休みがちになるところから始まり、こうして来なくなってしまうのです。
その時の職場はこんな感じ。
「あれ、◯◯さん今日も休み?結構長いよね、どうしたんだろう」
「いや、連絡が付かないみたいです」
「電話繋がらないのか。このまま辞めちゃうかもね…。」
そうやって辞めた人を数十年の間に何十人と見てきました。
共通点2:辞めた人を街で見かけるとめちゃくちゃ元気そう
駅前やショッピングモールでよくある話です。連絡がつかないまま辞めてしまった人と、しばらくしてから遭遇することがあります。
「とにかく元気そうであの頃の体調不良がウソみたい」
という共通点です。なにしろ辞め方が良くないので「元気になってよかった」とは思えないとみんなは言います。
元気になったかもしれませんが、3ヶ月以内であっという間に辞めてしまった人に対しては、あまりよく思われていないケースが多いです。
辞めてしまえば関係ないかもしれませんが、共通点という意味であげてみました。
共通点3:「近くの◯◯という職場で働いているらしいよ」という噂
これも本当によくある話です。辞めた人と偶然会って話したり、見かけたりその職場の知り合い経由でこのような噂が入ってきます。
介護業界は横の繋がりがとても強いです。職員同士の繋がり・施設長のつながり・地域のつながりがあります。だから同じ地域で職場を変えても高確率でつながってしまうのです。
ちなみに私が転職した際、別の市内へ転職したにも関わらず、施設長同士や職員、さらには友人も繋がっていたということがありました。
共通点4:すぐに辞めてしまう人は次もまたすぐに辞めてしまう
退職して次の職場が決まっていても、また同じような嫌なことがあったら再び同じ手口で辞めていく人が多いです。
「すぐに辞めてしまう人」を否定的に言ってしまうかもしれませんが、事実そういう人がほとんどです。もちろん人間関係で悩んだり誰にもわからないような悩みを抱えて辞めたかもしれませんが、その悩みの期間はたった数ヶ月です。
同じように悩んでいても頑張って続けている人、もっと辛い人は世の中にたくさんいますよね。
数年前にこんなことがありました。職場の面接で職務経歴書にびっしりと書かれた男性が面接に来ました。当時、現場職員も面接に加わることがあり、たまたま私がその面接に参加していたのです。
私はこう訪ねました。
「色々な職場で働いていますが、いずれも短期間で辞めていますね。うちでは長く勤めてもらえますか?」
すると彼はこう答えました。
「はい、そのつもりです。今までのところは◯◯◯が僕に合っていなかったり、職員が◯◯◯だったので」
まるで言い訳のように平然と話をしていたのです。
「同じことを繰り返すんだな」
というようにしか見て取れなかったです。
共通点5:理想ばかりを求めすぎてしまう
これに関しては、介護経験者によくある話です。
前の職場を引き合いに出したり、自分の理想のやり方を強要してしまう傾向にあります。自分の求めている介護論じゃなければ「私にはこの職場のやり方が合わない」と言って数ヶ月で辞めてしまいます。
今年の4月にこれにぴったり当てはまる職員がいました。41歳既婚男性職員で、人当たりも良いし経験もあるのでみんなも期待していたことを覚えています。
入職して2週間経った頃、突然その彼は仕事を休みました。電話が入り上司にこんな話をしたそうです。
「主任のやり方は私には合わない、それにこの施設では介助の時に◯◯◯というやり方でやっているが私からすればありえない」
と言って辞めてしまったのです。
なぜこれが理想を求めすぎているのかと言えば、この彼じつは
- 前の職場も2ヶ月で辞めている
- 職歴が多い
- 入職して2週間でまだ見習い期間
だったのです。しかも介護経験があるとはいえ数年間だけで、理想を語るには早すぎたかもしれませんね。
各共通点についての対処法
5つの代表的な例を見てもらいましたが、次にそれぞれの共通点に対する対処法をまとめてみました。
対処方1:介護の職場をすぐに辞めない方法
入職して辞めないために大事なことは、どうやって職場を決めるのかです。職場の決め方を間違えばまた同じ失敗をしてしまう可能性があります。
こんな経験がないでしょうか。
「あの職場気になるなぁ、給与は良いのかな?人間関係はどうなんだろう。ホームページだけじゃわからない」このように思って応募するか悩み、結局あきらめてしまう。
これは非常にもったいないことです。仮にその職場へ入職してなくても、その職場がどういうところなのか知ったうえで諦められれば次の転職にいかせられます。
そうすることで入職して嫌なことがあっても、体調不良のまま退職してしまうことを回避できるのです。もちろん、辞め方の問題はありますが相談できる相手もいない場合もあります。
対処法2:辞めた後悪い噂されないために
「辞めてしまえば関係ない」たしかにその通りです。しかし、中には周りの反応を気にする人もいますよね。家が近かったりすると、遊びにいくのに「あそこは前の職場が近いから止めよう」と何かと支障がでてきます。
辞めた後に出かける先まで気にするのは面倒くさいですよね。
これに関しての答えは一つです。「辞める理由はウソでもいいからやむを得ない理由にする」ことです。
ウソをつくのは性に合わないという人もいますが、円満に退職することは非常に重要です。街中で会っても普通に話ができるし、コソコソする必要もなくなります。
これといった対処法ではありませんが、体調不良からの退職に良いことはないのです。
対処法3:同じサービス形態には特に注意が必要
市内の同じサービス形態の場合、定期的に集まる場があったり季節の行事などがあります。例えば、特養から特養の場合だと施設長会や地域交流・防災関係で繋がります。
同じ市内の施設では、連携する必要があるため横の繋がりは必須です。そのため職員もつながってしまったり、地元であれば友人関係が繋がるのは当然のことなのです。
この機会に特養からデイサービスや、老健から特養などとサービス形態を変えてしまうのも手かもしれません。
どうしても前と同じサービス形態を望むのであれば、思い切って周辺の市内で探すことも可能ですが、私はそうしてもつながりがありました。
もちろん横のつながりがあってもバレないこともありますが、気にする人は徹底したほうがいいでしょう。先ほど紹介した求人サイト経由であれば、事情を説明すればそれに合わせて転職の手助けをしてくれるでしょう。
共通点4:退職と転職を繰り返さないためには
退職と転職を繰り返していると、職歴を汚してしまうし一行に給与も上がりません。それどころか信用問題にもなってしいます。既に繰り返してしまっている・繰り返すかもしれない人には正社員からではなく「介護の派遣」でスタートしてみるのも一つの方法です。
介護の派遣と聞くと不安定でマイナスなイメージが先行しているかもしれませんが、決してそんなことはありません。働き方次第で正社員を上回る給与が得られるからです。
派遣は契約制なので、派遣された職場が嫌になれば契約満了と同時に新しい職場に派遣先を変更できます。気に入った派遣先で正社員にもなれるので一石二鳥どころではないのです。
介護の派遣に関しては別記事でも紹介しているのでぜひ読んでみて下さい。
対処法5:理想と現実で悩まないために
自分の理想の介護を求める気持ちはよく分かります。ある程度経験を重ねると、不満や業務のマンネリ化が生じるのです。それと同時に自分の介護論を展開したくなります。
私が介護の仕事を始めて5年目くらいも同じ気持ちでした。
「こうするべきだ」
「人材育成はこうだ」
と偉そうに話したものです。今思うと非常に恥ずかしいですね。
気をつけたいのが、自分が理想を語っていることに気付いていない場合があるのです。先程書いた41歳の例で言えば、間違いなく理想を求めている場合ではないですよね。
41歳で職場を転々としていてしかも既婚者です。奥さんのためにもはやく職について安定をしたほうがよほどありがたいと思います。
まずは自分の置かれている状況も考えて理想を求めるべきだと思います。
もしそのことに気づけたのであれば、理想ではなく自分に合った職場を探すようシフトチェンジしたほうがいいです。
理想と現実は違うのは介護業界に限った話ではありません。
介護の職場をすぐに辞める(転々とする)ことはいけない?
「同じ職場で安定して働きたい」と考えていても、現実は「ここで働きたくない」と思ってしまい、結果的に職場を転々としているのかもしれません。
しかし、介護の職場をすぐに辞めてしまうことは後々のことを考えるとあまり良いとはいえません。職歴を傷つけてしまうほか、給与も安定しないからです。それに、辞めれば辞めるほど再就職も大変になってしまいます。
そもそも理想的な職場ってあるの?
現実的な話をしてしまうと、介護の職場には一癖も二癖もある職員はいますし、施設や事業所によって独特のやり方・考え方を持っています。
不満のない理想的な職場を見つけるには、日本全国探してもそうそうに見つからない可能性は高いです。私の実習先だった施設も、良い部分はたくさんありましたが、当然癖のある職員はいたし不満に思うやり方はありました。
ですから、正社員ですぐに辞めて職場を転々としている人はこれ以上職歴を傷つけることはしないほうがいいかもしれません。
しかし、自分に合わない職場で我慢してストレスを抱えながら働くのは嫌ですよね。
ではどうすればいいと思いますか?
それは、”正社員よりも心身ともにラクな立場で職場を探してみる”という方法です。
正社員よりも心身ともにラクな立場とは
以下のどれかに当てはまっていませんか?
- 職場を転々としていることに悩んでいる
- 入職して3ヶ月以内で辞めようと考えている
- 今後どうすればすぐに辞めない職場で働けるのか
どれかに当てはまる場合、解決策は一つです。
介護の派遣会社に登録する
このサイトでも介護の派遣会社についての記事を書いていますが、介護の派遣最大の特徴は、
- 辞めたい時(3ヶ月以内でも)に辞められる
- 自分に合った職場を見つけてそこで正社員になれる
- 納得するまで派遣先を変えられる(契約満了で辞められる)
などが挙げられます。
介護派遣会社に登録すると、求人情報や派遣の働き方などを相談しながら決めることができます。今現在、正社員をすぐに辞めたいと思っている方でも登録することができます。
介護の派遣会社は会社によって特徴に違いがあります。派遣会社選びのポイントは、その会社の特徴を知ることです。
- 人間関係に悩みたくない
- もっと給与の高い職場を探したい
- 自分のレベルに応じた職場で働きたい
自分に合った職場選びを始める前に、自分に合った派遣会社を選ぶことが必要です。派遣で働いたことのある方からは、職場選びよりも派遣会社選びが重要だと言っているくらいです。
介護の派遣なら職場をすぐに辞められる?!
介護の派遣は辞めたい時に辞められると書きましたが、実際にはどれくらいの期間で辞められるのでしょうか?
極端な話、正社員であっても1日で辞めてしまう人はいます。しかし、実際は辞めづらいのが現実です。
私が見た最短で辞めた派遣社員は、5日です。
5日で何かと理由をつけて辞めていきました。つまり理由をしっかり伝えて派遣先も同意してくれれば契約より短くても辞められるのです。
介護の職場をすぐに辞める人におすすめの派遣会社は?
先程書いたように、介護業界で理想的な職場を見つけることは難しいです。しかし、「自分に合っている職場」を見つけることは可能です。
「自分に合っている職場」を見つけることができれば、ある程度の不満ならストレスなく我慢できるし、長く働けるはずです。